街角にて
壊れたAirportみたいなこの街で初めて君と出会った
壊れた腕時計のようなこの街で君と別れた
壊れかけたこの地球の上くたばるまで僕は生き続けて
壊れた物の数だけの涙流し今日も飯を食う
１９９６．Ⅱ．～ENTROPY～
煙草なんてものを美味そうに吸うなんてどうかしているんじゃないか
酒なんてものにうつつをぬかすなんてどうかしているんじゃないか
バクチ クスリ そんなものにハマッてしまうなんてどうかしているんじゃないか
人の事は言えない 何をふざけた事を言ってやがる 自分でもそう思っている
でも俺がそう考えているっていうのは、これは事実だ
素直？そうかもしれない そういう風にも言えるかもしれない もしかしたら
でもちょっと違う気がする かなり違う気がする
そんなに御立派な事じゃないんだ 俺がこんな風に考えているっていうのは きっと
好きなものの事を考えてみようか
例えば音楽を聴くのは好きだ ロックにポップス、クラシックもいい
ジャズやブルースもいいセン行ってる
読書も好きだ 小説がほとんどだしSFやファンタジーが主なんだが
活字を見ているのは少しも苦にならない
マンガやアニメやゲーム そう それもいい すごくいい
曲を作るのも好きだ 詩を書き 作曲し 編曲し 歌う とても好きだ
自分ではいいできだと思っているから 悦に入っているんじゃないかと言われたら
あながち否定もできない
だけど それが本当にいい作品なのか俺自身が確かめる勇気を持てないでいる
そのくせいっちょまえにプライドだけは持っているから何か言われるとそれをひどく気にしていやがるんだ
コンプレックス？ コンプレックス。 コンプレックス……
そう、きっとコンプレックスがかなり、とても強いのだろう 俺は
人をけなすのは楽しい 人をこきおろろすのはとても楽しい
自分がその分だけ偉くなったと感じれるから？
他人を自分より下に見ることで己を高めた気になるのは 自分のちんけなプライドを守る張り子の防壁だ
見て見ぬ振りをいくら続けようとも時間はしっかりと過ぎて行く
コンプレックスが強ければ強いほどそれには目をつぶって
むしろプライドという堅い殻に閉じこもろうとする
確かなものはどこにある 確かな自分はどこにいる
今こうして生きている自分の存在も 本当はかなりあやふやなものだって考えた事あるかい
例えば人はよく心、心って言うけど、一体心ってのは何なのか説明できる？
自己に対する認識、他者に対する認識、あらゆる物に対する主観的な認識
それが絶対的にその存在を証明しているのだと言い切れるのだろうか
きっとそういった事全てを肯定して生きていけたら世の中は幸せなんだろうね
ところで君は……自分の存在意義について少しでも疑いを感じた事が今までに一度でもあるかい？
ＷＡＲ
因果は廻る あらゆる次元で積み重なってく
砂漠の国で 緑の町で 凍てつく大地で
一番大事なもの護る為なら君だって殺すぜ
「ＷＡＲ」
抑圧された自我境界線 鋼鉄の処女
監禁されてる認識中枢取り戻す為の
快楽の園にようこそおいでくださいました でも
「ＷＡＲ」
自意識過剰 被害妄想 マニアック
飛び交う弾丸 思考のトーチカ これはもう戦争
何より大事な自分護る為なら君だって殺すぜ
「ＷＡＲ」
猟奇殺人 導師の導き 存在理由 クスリ漬けの日々
孤独な部屋 孤独な学校 孤独な毎日 電波が届く
つけこんで りようして もてあそんで ののしって そしって
あざけって けとばして ばかにして かるくみて なげだして
有り難いお言葉を有り難がって頂戴したらば
「ＷＡＲ」
子羊たちが迷う
「ＷＡＲ」
夜のカヌー
昨日大きな事故があったらしいね
死んだ人も出たらしいが
僕はまるで知らなかった
いつか飛行機が落ちた時も
戦争が起きた時も
僕はまるで知らなかった
スイッチを入れなければわからない現実たち
だけどスイッチ越しの出来事は作り事めいていて
まるでいつか見た映画のようにおぼろげに見えてた
例えば君がここにいない事や君が誰かも知らない事
君を探している事
当たり前の毎日に疲れてもいないから
それで外で起きる全てを作り事に変えている
まるでいつか見たTVドラマだ
いつかの大きな地震の時だって
正直に言うんだけど……僕は他人事じみてた
見上げれば空を見ることもできない超高層ビルの中を
夜のカヌーが泳いでいる
現実の毎日はなんとなく過ぎて行く
だから見わたす事もないままに見つける事もなくて
まるでいつかどこかで見たようなシーンのように見えてた
例えば君の顔を見たい事や君の声が聞きたい事
君の心に触れたい事
当たり前すぎて分からなかった事は今も分からないままで
まるで語られるドラマのようだ
まるで忘れられるドラマのようだ
まるでたどりつけぬドラマのようだ
ROOM#1 LOST HALF
あなたの為に死ぬ事に憧れた
あなたの為に生きる事に憧れた
あなたが全てだと信じていたかった
あなたならわかってくれると思い込んでいた
例えばそうして誰かと一緒に歩いて行けたならば
誰かの為に歩いて行けたならば
生まれてきた意味も少しはできるものと考えて
あなたの全てを知りたいと思った
自分の全てに入ってきてほしくなかった
あなたを本当に理解しようともしないで
ただ自分の全てを受け入れてほしがった
自分がどこにいるのかわからない不安
自分が誰なのかわからない不安
自分がどうすべきなのかわからない不安
自分が本当に生きているのかわからない不安
自分が何の為に産まれたのかわからない不安
自分が望まれる存在なのかわからない不安
自分が人を愛する価値があるのかわからない不安
自分が人に愛される価値があるのかわからない不安
自分が何かをできているのかわからない不安
自分が何かを産み出せているのかわからない不安
他人と関わって自分が傷つくのは怖いけど
孤独のままで生きられる程強くもないから
そういった不安は全てあなたに投げつけて
優しさを表面的に身にまとって
ただ自分を愛し救ってくれる絶対的慈愛の母の手のみをあなたに求め
あなたの寂しさ
あなたの哀しさ
あなたの傷
あなたの痛み
あなたの求める救い
あなたの不安には気付けなかった
いいや 気付かないふりをしていた
だってしかたがないだろう
たった一人きりの自分の魂を救えないでいるというのに
他人に魂の救済を求められても一体何ができたというのだ
結局はあなたの傷に触れて
自分の傷をより深くする結果に終わるものなのだ
それでも
あなたの為に死ぬ事に憧れた
あなたの為に生きる事に憧れた
あなたならわかってくれると思い込んでいた
だから今はこう言わなければならない
さようなら我が愛しき人よ
１９９６．Ⅰ． ～STRAY SHEEP～
カウントが流れているこの街で 気が付けばあの日の名残を拾い集めていたようだ
夜の底の闇に身をひたしていれば 少なくとも誰にも傷つけられる事のない
優しい瞬間を味わっていられる
外の光は痛すぎるから家でゲームでもしている
この間は２日で超大作のRPGを解いた
もっと新しい刺激を求めて そして刺激を避ける事を求めて
結局そこから動き出せないままなのだ
居心地の良い部屋の中から出たくはないのだ
敢えてその身に風を受けたくはないのだ
僕もみんなも
最近の日本人は想像力が著しく失われている傾向があるんだってさ
昨日の深夜のTVで見たよ
スイッチを入れれば溢れ出てくる映像、情報
とても一人では処理しきれない映像、情報
消化する間もなく矢継ぎ早に次のモノがやってくる
確かにビジュアルは固定されている
想像の余地はほとんど残されていないのかもしれない
妄想すら困難な状況
そうしてみんなで一つの価値観を持つ
揺るぎなく確固たる同一の価値観
少しでも異質なものはみな忌み嫌われる対象となる
だから排斥しようとするのだ 手を替え品を替え あらゆる手段を尽くし
時には暴力にまで訴えてまでも
それで安心を得る 自分がそこにいてもいいのだという安心を得る
薄っぺらい安心 壊れ易い安心
でも とても居心地の良い安心
人と同じであるというだけで 何故人はこうも安らぎを感じるのか
人と同じでなくては生きて行けないのか
そうではないだろう
自分が自分らしくある為の自分らしさとは
本来 自分が人と違うというところに求められるものだ
そこにこそ自分がいるのだ
想像の種はどこにでも転がっている
その気になれば何からでも想像の翼は広げる事ができる
そうして創り出された想像の枝はそのどれをとっても一人一人異なっているはずだ
それこそが自分を育てる為の栄養だ
人と同じでなくてもよいのだ 人と同じでない方がよいのだ
想像、妄想、誰にも言えない、恥ずかしい夢
いいじゃないか、そんな物を持っているのが当たり前だ
何か新しい物 何か素晴らしい物 何かとんでもない物が作り出される陰には
きっと幾多の想像や妄想がうず高く積み上げられているのに違いない
そうだ それに違いない
そう 思っている
悲しい時は泣き 嬉しい時は笑い 怒りたい時は怒る
そうすれば 君の心の翼はもっと強くもっと大きくなる きっとそうなる
そうして君はもっともっと自分らしさを手に入れる 君らしくなって行ける
いつか君の翼は高く高く飛ぶ事を覚えるだろう
その時は もしかしたら君はまだ誰も行った事のない場所を知るかもしれない
何て素敵な事だろうと思わないかい
ねえ互いに異なっている自分らしさを愛しあい、認めあい、信じあってごらん
そうすれば世界が思っていたよりもずっと広い事を知る事ができるよ
さあ いつまでも傷つく事を怖がってないで思い切ってやりたい事をしてみよう
外の世界だってまんざら悪い事ばかりじゃない
そりゃあいろいろある 辛い事もある 嫌な事もある
でも楽しい事や嬉しい事だってそこにはきっとあるんだ
自分が自ら行動を起こす事には確かにリスクがともなっている
それはそれは高いリスクが、ね
でも「虎穴にいらずんば虎児を得ず」っていう諺のいう通り
そうしないと得られないものがあるのは確かさ
長い間付き合わせてしまって悪かったね
でも想像する事が楽しいものだって事だけは最後に言っておくよ
何故なら僕は僕の自分らしさと同じように君の自分らしさを愛しているから
だから言っておきたいんだ
カウントが流れているこの街から
嘘つき男と嘘つき女
嘘つき男と嘘つき女 二人きりで 独りぼっちで
嘘つき男と嘘つき女 嘘をつく度 独りぼっちで
嘘つき男と嘘つき女 膝の傷の理由 誰も知らない
誰かがほしい 嘘つき男と嘘つき女を
愛してくれる 誰かがほしい
嘘つき男と嘘つき女 嘘をつく度 傷ついていく
嘘つき男と嘘つき女 何をたくらむ 何を目論む
嘘つき男と嘘つき女 胸の傷の理由 誰も知らない
嘘つき男も嘘つき女も 昨日の事さえ覚えてないというのに
嘘つき男と嘘つき女 今日もやっぱり 二人きりで 独りぼっちで
嘘つき男と嘘つき女 涙は誰にも 決して見せない
嘘つき男と嘘つき女 嘘つき男と嘘つき女
嘘つき男と嘘つき女 嘘をつく度 独りぼっちで
PLASTIC GENERATION
「 Ｉ 」のキーが見つからず さまよい続ける俺の薬指
探し続ける物の正体は依然として不明
（I wanna know what you wanna do．）
出口の場所が分からず とまどって何かが欠けている和音
冗長な言葉でも本当は依然として純情
（I never know what you wanna do．）
冗談交じりに並べて傷つかない関係を演出しているけれど
いつでも横顔しか見せようとしない
君が抱えているのは軽くて薄くて色付きのPLASTIC MIND
“I LOVE YOU” 何度繰り返しても白々しく宙を舞ってる
出所の分からない言葉達が繰り返し折り重なってゆく
君の体の重さがまるで感じられないよ
俺の気持ちの重さは何グラムに満たない
口からでまかせばかりのPLASTIC MIND
言葉の重さ知らないPLASTIC MIND
軽くて薄い色付きのPLASTIC MIND
これさえつけておけば大丈夫なのよ
病気にならなくてすむのよ
できちゃう事もないのよ
かぶせて安心PLASTIC
俺と君を繋ぐ細い細い橋
しゃれにならない演出だ
軽くて薄い色付きのPLASTIC MIND
（お試し期間も御座います）
wars
偽りの言葉が原始の海に踊って
見栄をなくした野郎が逆立つ神に群がる
家を忘れて子供が泣く都市の
政治家は歌う神をたたえる詞を
お迎えが来ないから いくつになっても帰れない
たとえ鎖なくしても祈る事だけは忘れない
月が翳れば形をなくす都市の
子供らは彷徨う出口のない地下道
飼い主が死んだと羊どもうろたえる
神にたかる糞バエにゃ光など来やしない
乳飲み児は知る世界の優しさを
子供らは悟る社会の冷たさを
声を求めてかざした腕は敷き詰められた赤い絨毯
ここに来てよと流れる歌は振り向かれるのが怖い宵時 丑三つ時
捨てられた子犬が野良猫を見上げてる
存在を請う子供は神に認められたがる
道化が踊れば政治家が歌う都市
観客はいない神をたたえる詞を
25
僕らは生まれたままの悲しい水たまりになって
気取ったりうらやんだり泣いたりを繰り返して
時々は青ざめた湖の夜明け前にいて
心から許していた事をふと思い出したりするのだ
信号機はこの時間ともなればただ黄色く点滅をしている
情けないよね そうだよね でも自分じゃどうしようもないのさ
ぼくらはひっそりと息をする子供たちになって
数えたり忘れたり死んだりを繰り返して
いつだって消えかけた細すぎる下弦の月に
昔には分かっていたつもりだった事を投げつけるのだ
最近はテレビをつけたって砂嵐さえ見せちゃくれない
感じないよね そうだよね でも単純なグラインドを続けてる
プライドを教えてくれよ
プライドを与えてくれよ
プライドを持たせてくれよ
もう二時間経ってしまう
プライドを教えてくれよ
プライドを与えてくれよ
プライドを持たせてくれよ
ふと気が付けば二十五歳になってしまう
バラード
彼女の歌う悲しいバラードが渋滞の首都高に木霊する
真夜中過ぎても眠れぬ街じゃ振り上げた拳も彷徨うだけ
ノイズ交じりのネットからこぼれ落ちる
零か壱かの割り切りつかぬ 涙
あの娘の事を考える度に靴のつま先が痺れだす
忘れられても済まないわけは排水溝に流したはずが
埃まみれのラジオが呟いている
四半世紀前に無くしていた筈の痛み
彼女の歌う悲しいバラードはクラクションの渦に溶けていった
眩しさだけじゃ許せもせずに行き過ぎていく車に唾を吐く
やつれた声の女優が人を殺す
流れる雨の滴る先は どこに
Memory
失くした物を数えるように君はため息をついてみせている
それ程大切な宝物ならば握った掌の中 大事にしなければ
時間が経てば人は変わる 昨日の子供がもう大人の目を見せる
空の彼方から鳥がやってくる 大きく羽ばたいて迎えに舞い降りる
君の素顔と僕の素顔を並べて見つめている小さな瞳
綺麗な記憶の宝石だけを抱き締めてこの世界に生まれてきた
指先がまだ覚えている柔らかな曲線を温め続けてる
震える声とこぼれそうな涙 小さな頃ならば素直にできたのに
波のように寄せては返す自分の喜びを愛しいと思う
綺麗な記憶の宝石だけを抱き締めてこの世界に生まれてきた
失くした物を数える事に君は少し飽きてため息をつく
菫色の風が吹いてくる頃には僕の灯火もともるはずだから
ラブソング
僕が唐突に黙ってしまうから君はいつだってそうして黙り込んでいた
つまらないと飽きたふりをしてみせても本当は冷めているせいだと見抜いていたんだろう？
臆病さがあんまり先に立ち過ぎていたから
失くすより先に捨てる物ばかり
争うくらいなら受け流す事を覚えた
本音を語るのに理詰めになりすぎるから上辺だけの社交性で愛を請うていた
笑ってしまう程に君は君らしく僕は僕らしくあらねばと思い込んでいる
いつか君に聞かせてあげる事ができるだろうか
寂しさが嫌いで甘えたがりな僕の事を
他人が言う程には強くなんてなれやしない
いつだって欲しいのは唯一人
同じ方向を見てくれる人生の共謀者
空があんまりまっすぐで高すぎる
泣こうとして僕は泣き方も忘れていた
言葉があんまり不自由に過ぎるから
せめてこの思いをメロディーにのせて送ろう
どうしようもない程の優しさを添えて
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