No.187 2018年11月




「お山の紅葉」

写真の表題に「お山」と書いたので、これはおそらく東京近郊辺りのどこかの山、
例えば奥多摩とか秩父とか丹沢あたりの山かと思われた人もいらっしゃるかもしれません。
であれば、お詫びをしなければいけないかもしれませんね。
これはそういう、山らしい山ではなくて、「上野のお山」で撮影したものになります。
上野動物園や国立西洋美術館、国立科学博物館、東京国立博物館等がある上野恩賜公園は、
武蔵野台地のはずれにある舌状台地であり、昔から「上野のお山」と呼ばれています。

この写真は、その上野恩賜公園の中にある清水観音堂を下から見上げたものになります。
ただし「下から」といっても不忍池からというのではなくて、
高低差のそこまで大きくない、すぐ真下にある公園内の通行路から撮影しています。

清水観音堂といえば歌川広重の浮世絵に描かれた「月の松」が有名ですけれども、
一応、この画像にも「月の松」は写っています。
かなり目立たない感じになっているので、気が付かれないかもしれませんけれど。
清水観音堂の舞台から、不忍池の弁天堂を月の松の輪ごしに眺めれば、広重の「月の松」の完成ですね。
今回のこの写真では、そういう、ある意味で非常にベタな構図は避けたのですけれども、
しかし、これはこれで結構ベタなのではないかといわれてしまうと、
うーん、否定できないかもしれない。


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