No．013 2004年5月

「100円ショップ」


野菜の生産者直売所です。
横浜の実家辺りでも、私が小さい頃は良く見たものなのですが、
いまや港北ニュータウンといえば、すっかり郊外のおしゃれな街の代名詞になってしまっています。
かつてそうであったような、のどかな農業地区の面影は既に無く、
田畑は造成され丘も削られて地形まで変わってしまっている現状に、
まるで全く違う都市に引っ越してしまったかのような錯覚まで感じてしまう最近では、
いつの間にか、この手の直売所は、ただの一つも見かけなくなってしまいました。
それは、ちょっと寂しい事なのですね、私にとっては。

さて、現在の私は通勤の都合もあって実家を離れ、東京西部の国分寺市にアパートを借りています。
私が今の住居を気に入っている理由の一つに、ほんの数十メートルも歩けばそこに畑があるという事があります。
周辺に生産者緑地が多いのですね。
この間も晴天に誘われて散歩をしていたら、ほっかむりをして農作業をしているご婦人を見ました。
実際にデータとして確認したわけではないので、はっきりと断定する事はできないのですが、
おそらくこの辺りで農業を営んでいる方々は、専業ではないのでしょう。
ですが、農業だけで生計を営んでいようと、アパートなどを賃貸している一方で農作業をしていようと、
そんな事は瑣末な問題。
「自分の居所のそばに土がある、畑がある」という事実の方が、大事です。
実はそれが、私の精神に大きな安定を与えてくれる、結構大事な要素なのですから。

写真の直売所のすぐそばにも、また別の生産者直売所があります。
近辺を巡れば、他にもいくつか見つかるかもしれません。


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