No．227　2022年3月




「45フィートの皿」

2022年3月の Top写真 に使用したこの場所、この施設のことは、
TVアニメ 『Occultic;Nine ―オカルティック・ナイン―』 や 『残響のテロル』 の作中でも
大変印象的に登場していたのでご存じの方も多いと思います。
東京都府中市にある旧米軍府中通信基地に残されているパラポナアンテナ、通称「府中トロポサイト」です。
敷地自体は米軍から段階的に府中市に対して返還がされてきていたのですが、
跡地利用をどうするのかについては議論がまとまらず、このような姿で巨大なアンテナが残されています。



廃墟マニアの間でもかなり有名だという、このアンテナなのですが、
敷地自体は2021年末には府中市に全面的に返還されており、市が跡地利用計画を練っているので、
そう遠くなく、解体撤去されることになるであろうことが予想されます。
このトロポサイトがある府中市浅間町近辺にあまり関わりのない外部の人間からすると
この風景が無くなってしまうのは、それはそれでもったいないような気がしてしまいますけれども、
それは私が部外者だからそう感じるのであって、住民の皆さんがどう考えているかの方が優先されるべきなのは
敢えて言うまでもないことですし、府中市もそれを最重視すべきだと思います。



ただ、ネットで動向などを見ると「商業施設」を建てようなんていう声もあるようで、
それは正直、どうかなと思うし、何なら個人的には大反対でもあります。
昨今、テナント型の大型商業施設は巷に溢れかえって過剰供給状態であり、
どこに行っても同じようなテナントしか入っていない状況であると私は認識しています。
そんなところに、駅から少し離れてもいるここに商業施設を作って、
果たして採算がとれるのか、長続きし定着するようなものになるのか。

正直、私には疑問です。

それならばまだ、隣接する府中の森公園を通信施設跡地まで拡張して、
トロポサイトのアンテナはそのまま保存するような形にして一種の観光名所にしてしまう方が、
余程、人を呼び込むことができるような気がしないでもありません。

いずれにしても、この写真を見て府中トロポサイトに興味を感じた人は、
アンテナがまだ存在しているうちに、是非一度、実物を拝みに行かれることをお勧めします。
生で見ると、圧倒されますよ。


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