「5色の虹」
毎年7月は、この「ぱんたれい」のTopページに自転車ロードレースに関する写真を使う、
ということをサイト開設以来12年ほど続けてきているわけですが、
とりたててそれをここで覆す理由もないので今年もまた、それに倣っています。
今年は、この競技に関する様々なジャージの中から、
毎年9月に開催されているUCI世界選手権の覇者が着用を許される、
虹色のラインが胸に入った「アルカンシェル」を写したものを選びました。
このように特別賞ジャージを写真の題材に使っている場合には、これまでのパターンだと、
どこかの風景や建物内で、ジャージのある景色を撮るというのが「お約束」のようになっていましたが、
今年はそれとはちょっと切り口を変えて、こんな写真を撮ってみました。
この背景に使っているのは、実際にツール・ド・フランスのステージにおいて
出発地／ゴール地の選ばれた町で街路樹等に宣伝用に取り付けられていたダンボールのボード。
ベルギー在住の姉が、2010年の大会でブリュッセルにツールがやってきた際に貰ってくれたものであり、
今では私のアパートの窓辺に吊るされてインテリアの１つとなっています。
で、「アルカンシェル」なのですが、これはレース期間中の着用となるツールやジロの各賞ジャージと違って、
世界選手権を制した者が翌年の同大会開催までの1年間、ずっと着用し続けるものとなります。
大変な名誉となることですし、誰もが一度は着たいものだと願う1枚なのですけれど、
一方でこのジャージについては「アルカンシェルの呪い」として有名な逸話もあって、
世界選手権を優勝した選手（当然、実力は世界のトップレベルです）が翌年のシーズンにおいて、
なかなか勝利を得られずにいることがが、何故か多く見受けられたりします。
ちなみに、昨年このジャージを手にしたのは、ポーランド期待の若手であるミカル・クウィアトコウスキー。
彼が「呪い」に捕らわれているかどうかは……今年のこれまでの結果が表していますよね。
バンド L'Arc en Ciel のおかげですっかり広まっているので私もここまで説明してきませんでしたが、
「アルカンシェル」とは「虹」を意味するフランス語であり、
写真のように胸のところと袖口、襟周りに5色のストライプが配されたデザインとなっています。
日本では7色であるという認識が一般的な虹ですが、フランスやドイツでは5色というのが一般的であり、
国際自転車競技連盟（ＵＣＩ）の本部があるスイスのジュネーブはフランス語圏ですから、
それでこのジャージは5色ストライプになっているんだろうなと単純に思っていたのですけれど、
改めて調べてみると、「五つの大陸」を表しているというような意味もあるようですね。
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