No．264　2025年4月




「河口の港」

利根川の河口、房総半島の東の付け根である銚子港で撮影した1枚です。

生まれ育ったのがどういう土地だったのか、
川はそばにあったのか、山は、海はどうなのかといったようなことが、
成長後に自分がどういう場所に住みたいと感じるかということに対して
大きな影響力を持っているというのは疑いのないことだと思っています。

で、そういうことから考えると、この写真のような「漁港」というのは
私の人格の形成にほぼ全く関わってこなかった風景であり、
故に、「住んでみたい」と感じる大賞には成り得ないロケーションだと言えます。

それは、こういった景色は私にとって、あくまで旅先で体験するもの、
「旅情」の対象にはなっても「郷愁」の対象には成り得ないものであるわけです。
「一種の異世界のようなもの」とまで書いたらさすがに言い過ぎかもしれませんけれども、
感覚的にはそれくらい、自分の身近には存在しなかった風景。
それだけに、特にこういういかにも漁港らしい景色には、
何だか思わぬレベルで惹かれるものを覚えてしまったりもします。


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